暖かやベンチに眠る警備員 嵐田 双歩
『合評会から』(番町喜楽会)
春陽子 警備員がいいなと思いました。昼食後に眠くなったのか、仕事さぼっているのかなど、いろいろと想像しました。
青水 季語の使い方の見本のような句で、令和の日本の平和を象徴するような句ですね。
木葉 休み時間か夜勤明けのガードマンだろうか。ベンチで疲れを癒やしているところとみる。暖かくなって来てついウトウトという図はありそうだ。
迷哲 夜勤明けでしょうか、ポカポカ陽気に瞼が重くなり、ついついベンチにゴロリ。
水牛 最初採ろうと思ったのだけれど、警備員が制服を着て眠るというのは余り考えられない気がしました。夜勤明けなら私服に着替えるでしょう。
* * *
春の暖かな日差しを浴びて、気持ち良さそうにベンチでうたた寝する警備員が浮かび、のどかな気分になる句である。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、3月も中旬を過ぎれば気温が上がり、心地よい気候となる。「暖か」はそうした時候・陽気を表す季語である。
掲句はその季語に、警備員がベンチで寝ている情景を添えただけだが、読者には警備員ののんびりした気分が伝わってくる。さらに言えば、その情景を優しく見つめる作者の視線も感じられる。物や景に託して心情を詠むという俳句の骨法に則った句といえる。
水牛氏の指摘の通り、規律の厳しいガードマンが制服姿で眠りこけるなど許されないであろう。ただ警備員を幅広く捉えれば、例えば工事現場の交通整理係などは、公園での昼食休憩もありえるのではなかろうか。
(迷 26.03.21.)
この記事へのコメント
双歩
日本橋交差点に植栽があるミニ公園があります。天気の良い昼下がり、そこのベンチに制服に緑の腕章をつけた年配の男性が、ベンチに座ったまま居眠りをしてました。仰る通り「交通整理員」ですが、長いので広義の警備員でいいかと。