積っても北山どまり京の雪    岡松 卓也

積っても北山どまり京の雪    岡松 卓也

『合評会から』(日経俳句会)

双歩 京都の地形は今一つよく分からないけど、風情があっていいなと思って頂きました。
方円 これは私のお気に入りの句です。脱力感満載ですよね。京都の北の方は雪で、南に下がると降ってないと、それだけの話。まったく力がはいっていない句だけど、感じさせるものがある。
豆乳 雪をかぶった北山杉。京都の冬を象徴する景色です。
健史 枕草子の頃は洛中にもたくさん積もったのでしょうが……。
水牛 京都は盆地だから雪は北山辺りまでは積るが、街中はあまり積らない。そんな冬の京都の風情が出ている静かでいい句です。
戸無広 私も比叡山の千日回峰行のところを歩いたりしました。鯖街道から北の方は福井へつながっており、雪深い日本海側っていう感じです。
          *       *       *
 「北山」、「京」という地名と「雪」の組み合わせが、得も言われぬ風情を醸し出している。この句は旅行者には詠めそうもなく、生活者ならではの実感がある。
 そういえば、作者の住まいは、自室から大文字の送り火が見えると聞いた。ネットには「大文字山の背後に聳える北山」という写真が載っていて、なるほど京都に雪が舞う度に、作者は掲句の景色を目にしているのだろうと推察できた。事実を淡々と述べただけだが、それがかえって詩情豊かな一句となった。
(双 26.02.07.)

この記事へのコメント