うつる空両手ですくう秋の水   久保 道子

うつる空両手ですくう秋の水   久保 道子

『合評会から』(日経俳句会)

朗 秋の水に雲と言うか空が映っていたので、それを手で掬うというのは、とてもおしゃれです。
戸無広 掬う水は青い空を映しているが、いざ掬って見ると青い水ではなくなる。そういうアニメーションのような感じが出ている。
実千代 水に映る空はどこでしょうか。秋の清々しさが伝わってきました。
千虎 水に映った真っ青な空を掬うという発想がいい。
二堂 秋は空気が澄んでいるので、水に映る空もよく見えます。確かに掬ってみたくなりますね。
定利 空の青さ、思わず手を入れたくなる。
          *       *       *
 これは類句があるような気もするけれど、とても気持の良い、いい句だ。澄んだ水に映る白雲を浮かべた青空を掬いたくなって、思わず両手を差し伸べるというのは誰もがやることで、ごく自然な動作だ。そういうところをすっと詠んだのがいい。秋の水の感じを感じたままに素直に詠んだところにも、誰もが好感を抱いたのだろう、同じような句評が相次いだ。これぞ異口同音というところか。
(水 25.10.23.)

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