腑に落ちぬ事だらけなり春寒し  金田 青水

腑に落ちぬ事だらけなり春寒し  金田 青水

『合評会から』(番町喜楽会)

的中 変動が激しい世の中で、トランプ大統領のことなども含め、腑に落ちないことが多いなと、思わず採りました。
満智 本当にそうだなあと強く共感しました。どこかの県も、どこかの国も。おかしいと思う感覚がそのうち麻痺しそうで怖いことです。
斗詩子 トランプ大統領とゼレンスキー大統領会談での関係悪化、国際的な闇バイト、 多発する殺人事件、各地で老朽化した下水道管、インバウンドによる人出等々もろもろ入ってくるニュースは腑に落ちぬ事だらけ。みな背筋にすっと寒気が入るような明るさの無い話ばかり。老兵は消え去るのみですかね。若者に託せるのかしら。バアさんのブツクサ(笑)。
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 いつの時代も「腑に落ちない事」はいっぱいあるのだけれど、近頃は身の回りに始まって近県から日本全国、さらには全世界にどうにも腑に落ちない理不尽な事ばかりが起こっている。
 八十年前、廃墟から立ち上がった日本人はがむしゃらに働き、三十年ばかりで驚異の復興を遂げ、世界第二位の経済大国になった。しかし、その後が悪い。ずるずる、政界も経済界も、そして庶民の世界も、みんなぬるま湯に浸かっているうちに蕩けてしまった。いつの間にか「腑に落ちぬ事だらけ」のニッポンである。背筋の寒くなる春である。
(水 25.03.18.)

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