春暁や腓返りに夢たたれ    玉田 春陽子

春暁や腓返りに夢たたれ    玉田 春陽子

『合評会から』(番町喜楽会)

青水 僕も年中腓返りを起こします。痛いし、なかなか治まりません。いい句なのですが、「夢たたれ」はあまりいただけなかったです。痛くて、そんなことを思う余裕はありません。
てる夫 痛いんですよね、ふくらはぎを押さえてとび起きて、室内を歩く。治まるまでの情け無い気持ち。嫌なものです。
斗詩子 最近は散歩やリハビリの効果か、だいぶ減りましたが、この激痛はとても一言では説明できないですね。お大事に。
可升 「春夏秋冬腓返りに夢たたれ」状態なので採れませんでした(笑)。
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 こう言われてみると、なるほど「春暁」にはよく付く句だなあと思う。私の場合、4時近くに尿意で目が醒めるのと同時に腓返りが起こる。青水氏の言うように「夢たたれ」は少し安易な結びではないか。そんな悠長なことは言っていられない、「うめきをり」あたりが至当ではないかなと思う。
 それはともかく、この句をきっかけに句会では「就寝中のこむらがえり」についてあれこれ話になった。ああそうなんだ、自分だけじゃないんだ、ほとんどの老人が悩まされているのだということが再認識できた。それでなんとなくほっとした気分になったのだから、なんとも可笑しく、いじましい。
(水 25.03.12.)

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