秋冷や寒い暑いと老夫婦 田中 白山
『合評会から』(番町喜楽会)
満智 気温が酷暑から急に秋、また夏へと乱高下、歳とともに体温調節も難しくなり、いかにもありそうなやりとり。テンポもいいですね。
水馬 本当に夫婦で温度感覚は違いますね。
てる夫 秋の朝、気温は低い。長袖シャツに上着が欲しい。程なく汗をかくほどになる。歩きながらの手当てが欠かせないこの季節。
幻水 この句には秋と夏と冬の季語が盛り込まれていますね。(大笑い)
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幻水さんの茶化しぎみの評に会場大笑いとなったが、本当に今年の夏から秋の気温変化は激しかった。夏が異常に長くて、暦が秋を知らせてからも残暑が厳しく、なんと10月に入っても夏日はざら、30度以上の真夏日まで出現するありさまだった。そうかと思えば夜間や朝方はかなり冷えることもある。その結果、この句のような情景がどこの家庭でも珍しくなくなった。
作者は「女房と僕じゃ温度の感覚が違っていて、僕は寒がり、女房は暑がり。いつも喧嘩になります」と苦笑い。しかしまあ、暑い寒いで言い合いをしているくらいがちょうどいい。暑さ寒さを感じ取れなくなったら、それこそ大変だ。
(水 24.11.03.)
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