白湯一杯飲んで出かける敬老日  横井 定利

白湯一杯飲んで出かける敬老日  横井 定利

『合評会から』(日経俳句会)

双歩 敬老日といって気負うわけもなく、白湯一杯飲んでさあちょいと出かけるか、という元気な作者を思い浮かべて採りました。気取らずにいい句だなあ、と。
実千代 敬老、敬老っていうのを、私あまり好きじゃあなくって。白湯一杯飲んで自然に出かけてゆく様子が、とてもいい。
而云 敬老の日に白湯一杯飲むって、ちょっと格好良いなあと感じました。
明生 白湯一杯飲んで、お年を召した作者は勇んでどこへ出かけるのでしょう?
健史 からだを気遣うやさしさ。ほのぼのとした味わい。
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 白湯は健康にとても良いらしい。体が温められ、動脈や毛細血管を広げ、血流が良くなり、体内の老廃物が排出されやすくなる。さらには、胃腸が温められ、内臓の働きが活発になり基礎代謝や免疫力を向上させる、などとネットには効能が並んでいる。医学的裏付けはないようだが、冷たい水を飲むよりは明らかに身体に優しそうだ。
 作者は普段から健康法の一環として白湯を飲んでいるのだろう。今日は敬老の日。御年87歳の作者は、自治体が主催する「敬老の集い」に招待されている。出かける前に日課となっている白湯を一杯。四肢の末端まで血の巡りが良くなった。来年は米寿を迎える作者は、今も元気に俳句作りに励んでいる。その源は白湯にありそうだ。大先輩を見習って、筆者も白湯を飲み始めた。
(双 24.10.20.)

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