少女らの素足のびやか夏の川  山口 斗詩子

少女らの素足のびやか夏の川  山口 斗詩子

『合評会から』(番町喜楽会)

白山 素晴らしい足だったのだろうと思います。
幻水 今の子供たちは昔と違い足長で、すらっとした足をしている。特に女の子にそれが言える。観察のこまやかさと、のびやかな素足と夏の川という、取り合わせの良さに一票。
光迷 「素足のびやか」がいいですね。いまの青少年は手足がすらっとしていて、羨ましい限り。体操やフィギュアスケートの選手が一例でしょうが、昭和世代のずんぐりむっくりとは大違い。
作者 子供たちがズボンやスカートをめくり素足をにょきっと出して川ではしゃぐ様子は、自分の子供の頃の記憶も(あんなに綺麗でのびやかだったんだなあと)呼び覚まされ、つい微笑んでしまいます。
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 少女らが夏川にじゃぶじゃぶと踏み込んで行く様子を描き、まるで自分も一緒になって、その気持ち良さを味わっているように思えてくる句だ。作者はお気の毒にこのところ足腰に不調を抱え、ご不自由なさっていらっしゃるとのことだが、上記の「自句自解」からもわかるように、明るさを失っていない。こういうのびのびとした気分の句が出て来るのを見ると、こちらもすっかり嬉しくなる。
(水 24.06.20.)

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