川縁に鴨の寄り来る小名木川   嵐田 双歩

川縁に鴨の寄り来る小名木川   嵐田 双歩

『合評会から』(酔吟会)

道子 よくテレビなどで見る、川に向かって鴨が歩く風景を思い出して採りました。
愉里 これも席題の句ですね。まさにこの場所(深川・森下文化センター)は小名木川の近くで、あいさつの要素も踏まえ、ひらめきの良さで詠まれた句という気がします。
百子 我が家の近くのため池にも鴨がたくさん来ていて、詠もうとしたのですがうまく詠めなかった経験があります。「小名木川」は五文字でうまくはまりましたが、「ため池」だと字足らずで困りました(笑)。
可升 挨拶句ですね。のらくろロード商店街を詠んだ句もありましたが、この会場をセッティングした身としては、やはり挨拶句は採らないといけないと思いました。上手で、とてもきれいな句だと思います。
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 席題は「縁」。「えん、えにし」でも「ふち、へり」でも可ということで、この句は「川縁」と詠んでいる。とにかくご近所の小名木川をすっと持ってきたところがいい。作者は少し早く来たので、小名木川の川べりを散歩した。餌をくれると思ったのか鴨が二羽寄って来た。会場に来てみると席題が「縁」というので、早速「川べり」の句が成った。だてにブラブラ歩いているのではないことを証明した。
(水 24.01.25.)

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