冬の陽で電車の床に指影絵    中沢 豆乳

冬の陽で電車の床に指影絵    中沢 豆乳

『合評会から』(日経俳句会)

愉里 暖ったかい日差し、電車、家族連れ。のんびりほっこりする風景です。
実千代 田舎の電車ですね。低い日差しが入ってくる感じで、気持ちの良い俳句です。
雀九 目の付け所が良い。窓枠を切り取って指影絵をする。誰でも知っている光景を切り取った。たいしたものだ。言っていることが素晴らしい。
てる夫 よくぞ見つけた!しかしながら「で」が気に入らない。
青水 きれいな俳句です。が。てる夫さんに続けるとしたら、すべてを「の」としてみてはどうか。「冬の陽の電車の床の指影絵」。
水牛 俳句は耳で聞くものです。「で」では響きが悪く、また、説明になってしまいよろしくない。
而云 「で」は「や」で良い。切ればいい。
          *       *       *
 小春日のほのぼのとした車内風景を巧く捉えた。窓を背に差し込む陽光が電車の床にこぼれている。昼下がりの空いた郊外電車か、作者の近くに座る親子連れが影絵遊びをしている。幼子だろう、その小さな指が作っているのは何だろうと思わず興味を引く。ここには空爆下のウクライナの町もガザの民衆の惨状もない。大げさに言えば平和日本の日々の営みが見えるだけ。作者の目の温かさがあふれる句だ。ただ、難は皆さん指摘する通り。
(葉 23.12.20.)

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