秋の蚊の待ち伏せしをる勝手口 大澤 水牛
『合評会から』(番町喜楽会)
春陽子 「待ち伏せしをる」の措辞が面白いですね。関西弁かなぁ。関西の人の作かなぁ。その面白さで頂きました。
光迷 気温が35度などの日が続くと、蚊も昼間は来ない。朝ラジオ体操を終えてからとか夕方、庭木に水をやりに出るとわっと寄ってくる。秋の蚊はしつこくて参っちゃいます。
双歩 まぁ、夏の蚊も同じでしょうが…。
水馬 朝の犬の散歩に残り蚊がまとわりついて来て嫌です。「しをる」が面白い。
水牛(作者) 僕の家では勝手口にコンポストを置き、生ごみで堆肥を作ってるんです。毎朝、生ごみを捨てに行くと、蚊はそれを待っていて、わっと寄ってくる。「夏の蚊も同じ」という人もいるけど、秋の蚊はものすごく攻撃的です。子孫を残すための最後のあがきでしょう。
* * *
「秋の蚊」には「残る蚊」という傍題もあり、弱まって哀れなというイメージをもつかもしれない。だが、そうではない。ことに今年は、酷暑と熱帯夜で十分に動き回れなかったせいか、九月になってもすこぶる活発だ。こちらの行動を見越したような「待ち伏せ」には腹立たしくなる。
(光 23.09.19.)
この記事へのコメント