青梅雨や古社千年の杉木立 堤 てる夫
『合評会から』(NPO法人双牛舎令和5年俳句大会)
操 季語と内容が良く合っています。
光迷 きれいな杉木立の様がイメージできます。
木葉 その場にいるような気持になりました。季語がとてもうまく合っています。
可升 青梅雨は新緑に雨が降るイメージ。じめじめした梅雨のイメージではなく、明るさがある。戸隠神社を思い浮かべたが、どこだろう。「古社千年の杉木立」と一気に詠んだのがいい。
三代 自然に浸ったような雰囲気が良かったのでいただきました。
二堂 雨に濡れて大きな杉がさぞ立派に、生き生きと感じたことでしょう。
正義 (こうした情景に身を置く)経験豊富、慣れっこです。
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コロナ自粛明け満を持しての俳句大会にたくさん寄せられた投句中、一番格調の高い句だと思って採った。やはり同じ思いの人が多くて、堂々「地」賞に輝いた。この句の眼目はなんと言っても季語の青梅雨。これがぴったりだという声が圧倒的だった。
信州上田の塩田平に移り住んでもう10数年の作者夫妻は、近隣の情景を四季折々に詠んで飽くことを知らない。今や塩田平の俳人になりきっている。この句も名山独鈷山の麓、前山塩野神社の神さびる杉木立が、走り梅雨に青々と輝く情景をうたいあげたものだ。実に堂々として気持が良い。
(水 23.06.16.)
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