気に染まぬ見合い蹴とばし夏に入る 中村迷哲

気に染まぬ見合い蹴とばし夏に入る 中村迷哲

『合評会から』(日経俳句会)

双歩 たぶん元気の良い女性でしょう。気に染まない男だったので蹴とばしたと。それが夏に入るとどう繋がるかよく分からないが、面白い。
豆乳 具体的に想像しちゃったんだが、四十前後の女性が、やきもきする両親にぐりぐり薦められた見合い相手が嫌で、蹴とばして。夏に入って、一人で生きて行こう、と。ユーモラスな決意が伝わってくる。
青水 上五中七の逸話と季語がうまくマッチしています。
水牛 この蹴とばしというのと夏に入るというのがうまく合っててね。元気なお嬢さんの姿が浮かんでくる。
愉里 最近のことではないのでは、と思いました。「蹴とばし」という表現が気に入りました。
百子 立夏の勢いを感じます。
阿猿 勢いがあっていい。
定利 川柳みたいだけど、夏に入るの季語が良い。楽しいですよ。
水馬 明治の女流作家のような激しさですね。
てる夫 でもひょっとして「大魚」を逃がしたかもしれませんよ。人生なんて考えようです。
          *       *       *
 作者によると「さあ夏だって感じを出したかったので、こんなストーリーを考えた」のだという。大変な話者である。とにかく巧い。11点も獲得した話題作。
(23.05.30.)

この記事へのコメント