酒席へと二神を飛ばす福詣 中村 迷哲
『この一句』
昨年(令和4年)の深川七福神吟行の折の句である。本来なら七神を巡って成就する福詣を、あろうことか、時間の都合で二神を飛ばし、直会の酒席に直行したことを詠んだ句である。この吟行の幹事であり、二神を飛ばした張本人は筆者である。
本来の予定は、地下鉄森下駅に集合して、寿老人の深川神明宮に始まり、清澄白河近辺の寺社を巡り、最後は恵比寿神の富岡八幡宮に至るコースであった。幹事が集まって下見をした時には、さほど時間がかかりそうにないように思え、ここで欲が出てしまった。やはり、俳句の会で七福神巡りをするのだから、芭蕉稲荷には立ち寄ろう、臨川寺にも立ち寄り佛頂和尚と芭蕉のつながりも説明した方が良い、清澄庭園も素通りする訳には行かない。なんのことはない、吟行の数日前に雪が降ったこともあり、「深川七福神と芭蕉ゆかりの地と雪の清澄庭園を訪ねるスペシャルコース」になってしまった。
これはやばいと思い、途中で酒席の魚三酒場に「遅れてもいいか」と電話すると、「お後がつかえています」とすげない返事。義理と人情を秤にかけりゃ、当然ながら人情が重たく、即座に、かつ迷いなく二神をスキップすることを決めた。
今年1月7日には、新宿七福神吟行を行なう予定で、またしても幹事を仰せ付けられた。つつがなく七神を巡れるように、近所の神社にお願いしに行こう。(可 23.01.03.)
この記事へのコメント