年暮るゝエンゲル係数高止まり 金田 青水
『この一句』
令和4年はロシアのウクライナ侵攻を引き金にエネルギー価格が急騰、それが小麦をはじめとする食料などにも波及、国際的な物価高に見舞われ、政治的にも経済的にも揺れに揺れた年だった。日本の場合は急激な円安が価格高騰に拍車をかけ、政府はガソリン価格の抑制策などを打ち出したが、これにはバラマキと批判する声も上がった。
句会の合評会で大澤水牛さんが「令和四年の年末を詠みとめた句。女房の代わりに毎日お使いに行っているけど、食料品が軒並み騰がっています。だがなぜか消費者物価指数から生鮮品が外されている。これこそ庶民の生活実感を無視したもの。そんなこともあっていただきました」とコメント、これに「物価高は実感です」の声が続いた。
ちなみに11月の消費者物価は3.7%とほぼ41年ぶりの上昇率、生鮮を除く食料は6.8%だった。外食も5.3%上昇した。物価手当を支給する企業も出始めたが、中学生や高校生など食べ盛り・伸び盛りの子供を抱える家庭では、カバーするのは極めて難しいだろう。これも馬鹿な異次元緩和、円安誘導のアベノミクスのツケなのだが、ここで愚痴っても仕方あるまい。
(光 22.12.25.)
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