帰り花他人の老いはよく分かる 杉山 三薬
『合評会から』(酔吟会)
双歩 確かにその通りで、自分のことはさておき、他人のことはよく分かります。「帰り花」には「狂い花」の傍題もあり、よく合っているかなと思いました。
鷹洋 自分のことを詠まれている気がしました。
春陽子 句を読んで、改めて反省しました。自分のことを脇におき、「あいつ、最近老けたな」なんて言っているのを。
可升 「帰り花」という季語は難しかった。この句はとてもうまく詠んだなと感心しました。
水牛 「帰り花」には寂しい感じがあり、「老い」とよく合いますね。
三薬 今日の句会では勘違いなどもあり、自分の老いを感じさせられました。季語はとってつけたものです(笑)。
* * *
この一句の評価のポイントは「他人の老いはよく分かる」だろう。歩き方をはじめ目や耳の具合など老いを窺わせる事柄はいくつかある。古希や喜寿を過ぎた句会のメンバーの多くは、そこに思い至ったのだろう。
ただ、世の中には「まだまだ若い者には…」という手合いの何んと多いことか。政界も財界もである。ちなみに、作者が付け加えたように、季語は帰り花でなくともよさそうだ。
(光 22.11.30.)
この記事へのコメント