薔薇一輪活けてたちまちレストラン 嵐田双歩

薔薇一輪活けてたちまちレストラン 嵐田双歩

『合評会から』(酔吟会)

百子 薔薇の花は華やかだから、たちまちレストランになるけれど、これが菊の花だとそうはいきません(笑)。
迷哲 ごく普通の家庭の食卓でも、薔薇を一輪飾ると、たちまちレストランに早変わりするという句ではないでしょうか。
三薬 私も同様に解釈しました。我が家も昨日牡丹を食卓に飾りました。生活感のあるいい句です。
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 世界に二十万種あると言われる花の中で、薔薇ほど華やかさと気品に満ちた花はあまりない。色も豊富で長持ちし、贈り物に最適のため、いつも花屋の店頭を飾っている。まさに花の女王であり、園芸種としても人気が高い。掲句はそんな薔薇の特質、イメージをウイットを交えて上手に詠んでいる。薔薇とレストランをつなぐ「たちまち」が実に効果的で、たった一輪で食卓の雰囲気を明るく、豪華に変える薔薇の魅力がストレートに伝わってくる。
 コロナ籠りで、朝昼晩と家族だけの食卓が続く。気分転換に花を飾れば、暮らしに潤いが生まれる。作者は句会で「今朝も薔薇を一輪置いて、ご飯と納豆の朝食を食べてきました」と笑いを取ったが、こんな時代だからこそ、その心のゆとりを見習いたいと思った。
(迷 22.06.10.)

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