信貴生駒越せば斑鳩鳥雲に    廣田 可升

信貴生駒越せば斑鳩鳥雲に    廣田 可升

『合評会から』(酔吟会)

春陽子 奈良の方の地理はよくわからないのですが、とてもリズムのいい句なのでいただきました。
木葉 リズムが良くて、内容が「鳥雲に」の季語にぴったりはまります。
三薬 関西の人が詠んだ句でしょうね。「信貴」が最初読めなかったのですが、「しぎ」とわかってリズムがいいなと思いました。
迷哲 景の大きな句で、大阪から奈良に向けての風景が浮かびます。ただ、方向はこれでいいのかなと思いました。
水牛 ちょっと馬鹿にするなみたいな句ですが、すーっと読めて面白いですね。
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 皆が口を揃えている通り、なんと言っても口調がいい。落語に「とんとん落ち」という下げがある。調子よくトントンとオチへ持って行く手法だが、演者がよほどの巧者でないとさっぱり面白くない。その点、この句はほんとに巧い。信貴山、生駒山を抜ければ奈良なのは当たり前だが、まさにとんとんと引きずられてしまう。
 作者の実家は堺で、西を見ると仁徳天皇陵、東は信貴生駒という場所にあり、「子供の頃、このコースを鳥が飛ぶのをよく見ました。確かに真っ直ぐ北ではなく、東へ行くコースなんですが、聖徳太子に挨拶してから帰るのかもしれません」と、自句自解も洒落ている。
(水 22.04.04.)

この記事へのコメント

  • 可升

    コメントいただき有難うございます。大阪にいた頃は、頂上にアンテナのある生駒山が方角の拠り所でした。京都では東山と比叡山が拠り所でした。東京に来てすぐの頃、ここには拠り所がないと心細く思うことがありました。そのかわり空がとても広く、さすがに「大東京」だと思いました。
    2022年04月06日 11:39
  • 酒呑洞

    昔は、と言っても昭和30年代までは、東京でも富士山と筑波山が東西の目印さったんですよね、それがいつの間にか見えなくなってしまって・・・。絶対安全と言われていた福島原発があんなことになって、こんなににょきにょきとのっぽビル作って、どういうつもりでしょうね。M8クラスがかなりの確度で発生するというのにね。「絶対安全、のハズだった」と言うんでしょうね、たぶん。
    2022年04月06日 18:07