寒晴やホットレモンの香の尖り 高井 百子
『合評会から』(番町喜楽会)
光迷 寒さが厳しい時、レモンを絞って蜂蜜を入れ、熱くして飲むと本当にほっとします。
而云 あのレモンのつんとした香りを「香の尖り」と表現したことに感心しました。
迷哲 寒いからこそ飲み物の暖かさが嬉しい。漂うレモンの香りを「尖り」と表現したのは上手いですね。
水牛 僕は逆に「尖り」はどうだろうかと思いました。人工香料のような感じがして。
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コロナウイルス感染防止の手立ては「三密」回避。しかし、家に籠ってばかりはいられない。コロナ太りも気になる。という次第で、人出の少ない場所を選んで散歩をする向きが増えている。それが寒晴れの日であれば、とっても気持ちいいだろう。そして帰宅し、ホットレモンで冷えた体を…と読んだ。
ところが、下五の、香の「尖り」に疑問の声が上がった。成程と思える節もある。レモンの香りが尖っている、フリッシュで爽快なのは絞っている時で、ホットレモンになってしまうと…、だからだ。では、どうするか。「香り立つ」「香の高し」あるいは「香の優し」「香に和む」。適切な言葉を考えて欲しい。(光 22.02.09.)
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