冬の日のぬくみを膝に靴磨き  玉田 春陽子

冬の日のぬくみを膝に靴磨き  玉田 春陽子

『合評会から』(日経俳句会)

迷哲 玄関先の小春日。「ぬくみを膝に」が上手で実感がこもっている。
実千代 「ぬくみみを膝に」がジーンときた。「冬の日」の季語の情景が一番よく分かった。
二堂 靴磨きは玄関でやる。本当に冬の日差しが当たっているだろうかとも思ったが、これは日向で膝に靴を乗せて磨いているのでしょう。
鷹洋 現役の頃を思い出した。テラスで磨いているのもいいもんだなあと。
青水 皆さんと同じ。
可升 いかにもポカポカしていて長閑な句です。
明古 冬の日差しは室内に斜めに入って来ます。ちょうど膝に日が当たる玄関で靴を磨いている。
水馬 「ぬくみを膝に」という中七が良い。
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 靴磨きは意外に億劫なものだ。毎朝、出掛けに汚れに気がついてそそくさと拭い、「今度の日曜日にやろう」なんてつぶやきながら、忘れてしまう。そして、とある冬日和の日曜日、意を決して、と言ってもそれほど持っているわけではない、二、三足の靴を取り出し、玄関先の日溜まりに腰掛けを据えて磨き始める。やり出すと俄然、凝ってしまう。冬陽のぬくもりを浴びて、無念無想。憂き事を忘れる一刻である。(水 22.01.10.)

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