水かぶる恵比寿大黒寒の行    徳永 木葉

水かぶる恵比寿大黒寒の行    徳永 木葉

『合評会から』(亀戸七福神吟行)
 
鷹洋 水をかけているうちに、こちらが寒くなりました。実景・実感あり。
方円 参拝者はお水をかけてお祈りしていますが、寒い時期ですから神様にはこれはこれで修業なのかもしれない。
春陽子 恵比寿さまも大黒さまも思い切り水を被っていました、それを「寒の行」と捉えた作者に拍手の一票です。
三代 私も水をかけましたが寒の行なんて発想はわかず。さすがです。
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 恵比寿・大黒の神像に水を掛けるというのを初めて見た。お地蔵さんに水をかけるのはあちこちにある。自分の身体の痛むところと同じ部位に水を掛けて祈ると平癒するという俗信から出た風習である。江戸時代から盛んになった風習らしい。
 亀戸七福神の香取神社は元々は戦の神様で、明治から昭和時代前半まで「戦勝祈願」で大繁盛した。ところが太平洋戦争で目も当てられない敗戦となり、この神社もしばらくは閑古鳥が鳴いたが、やがて「スポーツの神様」として復権した。「闘いに勝つ」守り神というわけである。そのついでと言ってはなんだが、七福神詣の信者も呼びこむ「水掛恵比寿大黒」もしつらえた。本殿をしのぐ人気でお参りの人が列をなす。マーケティングの達人でもあるようだ。
(水 21.01.24.)

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