老の背の膨らんでゐる冬初め   今泉 而云

老の背の膨らんでゐる冬初め   今泉 而云

『合評会から』(番町喜楽会)

双歩 これは何かを着ているというよりは、ただ単に老人の猫背なんじゃないかと(笑)。いずれにしても「冬初め」とよく合いますね。
白山 始めはこの句、素通りしたのですが、再度読み直してみると、「これって俺の事詠まれているのじゃないか」と。よく女房に「背中丸くなってる」と言われるのです(笑)。猫背でしょう。
的中 たくさん着こんで、背中が膨らんでいる老いた相方を見て詠んだ句でしょうか?歳とともに首から肩甲骨にかけて丸くなる景は実感です。冬の情景が伝わる句だと思います。
二堂 老いを「背が膨らんだ」と捉えた点が素晴らしい。
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 作者によると近所の碁会所の光景とのこと。頭を下げ盤面を見つめれば背が丸くなるのは当然だが、年寄りはもこもこしたチョッキみたいな物を着ているからますますこうなる。
 「冬初め」でこうだから、寒中ともなればさしづめダルマさんの集団と化すのだろう。しかし、着膨れても碁会所に一人で行けて碁が打てるうちはまだまだ大丈夫。
(水 20.11.18.)

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