駅舎出て青田広がる新任地 石丸 雅博
『合評会から』(三四郎句会)
圭子 着任した地への前向きな気持ちが感じられます。
久敬 勤務地が都会から地方に変わったときの心情を切り取りって、印象的です。
諭 視界一面に広がる青田が、作者の赴任を歓迎してくれている様子を感じる。
而云 地方の小都市への勤務だが、着任者のやる気が感じられ、快い。
雅博 (作者) 「青田」という兼題を見て、句の風景がすぐに頭に浮かんできました。平成元年、三重県に着任した時の駅前の様子です。あれから32年ですね。
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青田の素晴らしさは、眺める人の胸中に瑞々しい空気を送り込み、明るい気分にさせるようなところに在るのだろう。俳句を鑑賞する側にとっても同じこと。青田の句だからこそ、合評会では上記のようなコメントが続いたのだ。「新任地の駅舎を出たら、目の前にだだ広(ぴろ)い田んぼが・・・」では、「いいところに赴任しましたね」とは言いにくい。新任地に着いて「青田が広々と」と言える人こそが、いい仕事をし、素晴らしい企業人、社会人になっていくようである。
(恂 20.06.21.)
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