入学の子の声上がる兎小屋    星川 水兎

入学の子の声上がる兎小屋    星川 水兎

『合評会から』(日経俳句会)

博明 かわいらしいですね。
雀九 式がすんで、引率されている情景がうれしい。
てる夫 小動物の飼育を通じて生き物の命を大切にする教育の一環でしょう。小学校の初日のヒトこま、兎の世話の始まり、物珍しさに溢れています。
迷哲 入学式の後、校内を探検していた子供たちの驚きが見えるようです。
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 作者の種明かしによると「私の小学校には孔雀がいて、夕方になるとギェーと鳴いて怖かったのですが、それでは句にならないので兎に変えました」。確かに昔の小中学校は小動物を飼うのが普通で、クラスごとに当番が決められ、草刈りしたり、小屋の掃除をした。兎や鶏をはじめ、山羊まで飼っている学校もあった。動物の世話を嫌がる子もそのうちに熱心になり、絶好の情操教育となっていた。近ごろの都会の小中学校ではとても無理だろう。
 もし未だに続けている学校があったとして、このコロナ禍による休校ではその世話はどうなっているのか。動物も寂しがっているだろうし、子供たちはもっと心配しているだろう。
(水 20.05.13.)

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