風光る梨の新芽の力瘤 谷川 水馬
『合評会から』(番町喜楽会)
百子 「風光る」という兼題の句の中で一番にいただきました。春の力強さ、風の透明な感じが「新芽の力瘤」とよく合っていると思います。
光迷 「風光る」のイメージがよく表れていると思います。手入れの行き届いた梨の木の新芽が力瘤のように出てくる。春の息吹を感じさせます。
木葉 「風光る」「新芽」「力瘤」の三連発が効いています。
青水 季語が生きている句だと思います。「新芽」と「力瘤」が効いています。
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「新芽の力瘤」がいい。寒さはまだまだ残っているのだけれども、梨の木は本格的な春に向かって、葉芽も花芽も徐々に膨らんで、力をみなぎらせている。「さあ春だ」と梨の木が力瘤を込めているのだ。新芽はごく小さいけれど、よく見ると小さいなりに盛り上がってまさに力瘤だ。
芽吹き始めた梨の木を見つめていると、人間の方もしゃんとした気分になる。「風光る」とぴったり合っている。
(水 20.03.25.)
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水馬