歩こうか日射しは温し寒の入   大平 睦子

歩こうか日射しは温し寒の入   大平 睦子

『この一句』

 うきうきするような句である。「寒の入りというのに、ぽかぽか陽気。こんな日に家の中に居るなんてもったいない。外に出ましょうよ」と。万歩計をつけて、中高年女性は実に元気だ。
 それにしても令和元年から2年にかけての冬の暖かさは異常としか言いようのないものだった。「寒の入」の1月6日は東京近辺で13℃もあった。1月20日の大寒は、評者の住まう横浜の自宅庭先の寒暖計が午後2時でなんと15℃になった。寒中に20℃を越える日が幾日もあった。
 寒さが身体に響く高齢者にとって暖冬は有難いのだが、各方面に悪影響が生じる。まず、農業。野菜が無闇に育ってしまう。出荷時期を見計らいながら育てているのに、急に大きくなってしまうと一大事である。その上、寒くならないから害虫が死なない。全世界を震撼させている新型コロナウイルスも、もしかしたらこの「寒くならない冬」と関係があるのかも知れない。
 しかし、あれこれ思い悩んでも仕方が無い。この句の作者のように元気を出して歩くのが一番だ。もう本日は立春である。
(水 20.02.04.)

この記事へのコメント