知らせ来るパリの時雨のエアメール 水口弥生

知らせ来るパリの時雨のエアメール 水口弥生

『おかめはちもく』

 「パリの時雨」とはこれまた実に情感あふれる景色だ。マロニエの枯葉がはらと散って、トレンチコートの衿を立てた男女が寄り添い歩む。どこぞの教会の鐘が響いてくる・・・。ダミアかイヴ・モンタンか、そんな風情を漂わせた絵葉書が届いたのか、写真の入った封書が来たのか。ともかく、「私も行きたいな」と無性に旅心が掻き立てられる。
 日経俳句会11月例会兼題「時雨」の句の中では、とても洒落ていて、目立つ句の一つだったが、叙述が少々ごちゃついた感じで、取りきれなかった。
 冒頭の「知らせ来る」がどうであろうか。下五に「エアメール」とあるから、これは省いてもいいのではないか。しかし作者としては、わざわざ「知らせてくれた」ことを言いたいという思いもあるかも知れない。そうであれば、「の」を「を」に変えて「知らせくるパリの時雨をエアメール」とするか、言葉の順序を変えて「エアメール巴里の時雨を知らせ来る」の方がいいだろう。
 とにかくこういう洒落た句は、すっと読んですっと頭に入るようにしたい。
(水 19.12.03.)

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