短日やありふれた日のまた過ぎて 片野 涸魚
『合評会から』(酔吟会)
てる夫 その通りですねぇ。我々年寄りの共通句ではないでしょうか。
青水 年寄り句かぁ。いいこと言うなぁ。確かにこの句は、詠む方も味わう方も、ある程度の年をとっていないと、面白さや良さがわかりませんねぇ。若い人にはわからんでしょう。
操 この頃はあっという間に一日がたってしまいます。大したことしてないのに。毎日まいにち、そんな感じです。共感しました。
* * *
いつの間にか酔吟会最長老の米寿になってしまった涸魚さん、すこぶる元気に、俳句も囲碁も近隣散歩にも励んでいらっしゃる。しかしその毎日が「ありふれた日」だと感じて居られるようだ。
八面六臂の大活躍をなさった昔を思い出すにつれ、「ありふれた日の過ぎゆくことよ」と感慨に耽るのは無理も無い。しかしそう自得することが、精神の若さを保つ所以であろう。これこそ「ありふれた日もまた可し」とする、悠々自適の境地ではなかろうか。
(水 19.11.27.)
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