白萩の猛然と咲く庭の隅     堤 てる夫

白萩の猛然と咲く庭の隅     堤 てる夫

『合評会から』(番町喜楽会)

水牛 「猛然と」という激しい形容に異論もあると思いますが、手弱女ぶりを見せて実はモーレツな萩の生態を詠んで面白い。
而云 「猛然と」がユニーク。白萩のパワーに満ちている。
水兎 「猛然」が素晴らしいです。生えてきたなと思ったら、あれよあれよの間にもっさりと道を塞いでいく感じが、まさにそのとおりです。
       *       *       *
 どの選者も「猛然と」に惹かれてこの句を選んでいる。この萩は作者の庭の生垣のそばに生え、まさに「猛然と」と表現するしかない繁茂状態らしい。三人の選者も「萩ってけっこう激しいんだよなあ」と作者に同感しているようだ。
 筆者もこの句を選んだが、草花を「猛然と」と形容することに違和感を覚える一方、この刺激のある尖った言葉をあえて使った、作者の表現テクニックを評価して一票を投じた。作者や三人の選者が萩の生態をよく知るのに対して、筆者はより観念的に捉えていたと反省した。写生とはこういうことだと教えられた気がする。
(可 19.10.10.)

この記事へのコメント

  • 迷哲

    確かに「猛然と」は白萩のイメージとギャップがありますが、成長スピードを実感した人だからこそ選べた言葉だと思います。萩の変化をよく見ていないと思いつきません。まさに写生の基本は観察にありですね。
    2019年10月10日 22:12
  • 水牛

    最初はやはり「猛然と」に引っ掛かったんですが、我が家でも確かにその通りなので取りました。種苗店で小鉢に植わった「江戸小萩」という可愛らしいのを買ってきて、庭の片隅に植えたところ、3年たったら群がり立って、今では一抱えもあります。刈り込んでいますが、狭い菜園をじわじわと侵略しかけています。茎一本一本はなよなよと、花も葉も可憐なんですが。
    2019年10月10日 22:25