AIとゲノムの未来原爆忌    前島 幻水

AIとゲノムの未来原爆忌     前島 幻水

『この一句』

 時代の先端を不安な面持ちで見詰める視線に心惹かれた。AIは進化し人間の頭脳を超えるのも時間の問題かもしれない。ゲノム技術はサイボーグを登場させるだろう。いずれロボットがロボットを生み続ける事態も。そのとき人間はどうすればいいのだろうか。この一句は、その極めて重い問題を提起している。
 科学技術は人々を苦役から解放し、社会に富と安らぎをもたらすはずだった。だが、身の回りを見渡せば、ITあるいはAIの発展が格差社会を生み出した、という見方も否定できまい。忙しさは増したものの、見返りはその何分の一かに過ぎず、なのだから。「働き方の改革を」は上から目線、持てる者の勝手な言い分という見方にも一理ある。
 原子爆弾は、科学技術が人間に反逆した顕著な例だ。これに対して「要は使い方だ。人間の賢さを信じよ」という声が出るかもしれない。だが、その虚妄ぶりは、フクシマの原発事故でつまびらかになった。句の中の「未来」の一語に「道を誤らないで」という切なる願いを感じ取ったが、現実には、環境問題ひとつみても道は険しそうだ。(光 19.09.15.)

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