温暖化止められぬ星寒四郎    中村 迷哲

温暖化止められぬ星寒四郎    中村 迷哲 『合評会から』(酔吟会) 春陽子 温暖化に悩む地球を「温暖化止められぬ星」と捉えて大成功。季語の「寒四郎」を据え、季節の消失を嘆く作者が浮かんできます。 水牛 温暖化が止められない地球という素材はたくさん詠まれていますが、「寒四郎」との組み合わせは恐らく初めてじゃないかと思います。その新鮮さを買いました。 迷哲(作者)先日、七福神めぐりの折り「最近は寒の入りと言っても温暖化でちっとも寒くないね」という話をしました。カリフォルニアの山火事も温暖化のせいでしょう。自分自身も含めて誰も温暖化を止められない、自戒も込めて詠んだ句です。           *       *       *  地球温暖化は、解決に時間のかかる深刻な問題であると同時に、人間の馬鹿さ加減が露呈した問題でもある。ロサンゼルスの山火事を他人事のようにみなし、またガソリン自動車に力を入れようとする米国の次期大統領とか。 いま脚光を浴びているAIにしても、電力消費量を考えれば、温暖化防止に逆行する可能性が大だ。ならば原子力発電をと言うのは愚かにも程があろう。使用済み核燃料の廃棄には目途さえついていないのだから。 (光 25.01.17.)

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