ごきげんな風に干さるるアロハシャツ 玉田春陽子
ごきげんな風に干さるるアロハシャツ 玉田春陽子
『合評会から』(日経俳句会)
実千代 ごきげんな風って、素敵な風だなと思って魅かれました。アロハシャツとの対比も面白い。
水兎 言葉の使い方が上手。庭に干したシャツにハワイからの風が吹いているような素敵なイメージが湧きました。
朗 ごきげんな風とアロハシャツが響きあって心地良い。今どきの若い人はごきげんなとか言わないので、作者は加山雄三さん世代でしょうか。
てる夫 最近のファッションは分かりませんが、アロハを着ている人まだいるのですか。「今どきアロハ」とは思いましたが、夕暮れの浜風に吹かれ、ご機嫌で帰途にということなのでしょう。
方円 アロハって古臭い言葉だけれど、ごきげんな風と取り合わせると、ある種の時代感覚みたいなものを感じます。何より分かりやすい。
静舟 明るい夏の日差しに、物干しでパタパタと音をたてるアロハ。夏の風が心地良い。軽快です。
ヲブラダ 読んでこちらも、ごきげんになりました。
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「アロハ着て」では普通の句になってしまうけれど、干されたと詠んだところが面白い。銀座や新宿はじめ全国の盛場がアロハだった時代の日本は実に野蛮だったけれど、イキが良かった。
(水 24.07.13.)