ようそろと介護の決意暮の春   高井 百子

ようそろと介護の決意暮の春   高井 百子 『合評会から』(番町喜楽会) 満智 方向をしっかり見定めながらの気負いのない決意が感じられます。 光迷 介護は、単に手間が掛かるだけでなく、心の負担も大きいものです。それに正面から向き合おうとされることに頭が下がります。 てる夫 親戚の古老が癌検査で入院した。縁者が対応に大童。準備することがいっぱいあって大変なんです。大袈裟ではなく、決意、決断の時。 水牛 「ようそろ」は航海用語で、船が所定の針路に向かったとき、そのまま真っ直ぐ進めという命令を表す言葉です。この場合、マッチしているのかなぁ。           *       *       *  「日本は高齢化先進国」などといわれるが、介護保険に老老介護など、介護を巡る難問が山積している。それはともかく、合評会での発言から推測すれば、検査入院した古老の面倒をしっかり見ようという周りの人々の姿勢が窺え、一安心の気分にさせられた。「ようそろ」の使い方だが、下手に右往左往したりせず、物事を真正面から受け止めることの表現と理解し、これで良いのではないか。「五月晴れ」や「氷雨」など、誤用まがいでも世の中に定着した例もあるし。 (光 24.04.21.)

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