花水木白いヴェールの修道女 谷川 水馬
花水木白いヴェールの修道女 谷川 水馬
『合評会から』(日経俳句会)
鷹洋 花水木に白いヴェールと修道女。乙女チックの三つ揃いみたいな句ですね。
愉里 ぱっと読んでイメージが浮かんで、きれいな句だなと思って頂きました。
迷哲 花水木はやっぱり白のイメージが強い。その白さをどう表現するか巧く詠めなくて。この句は花水木の清楚な印象とうまく重なっていると思い頂きました。
実千代 朝の教会の佇まいが絵のようで美しいです。
静舟 花の清楚な感じが修道女にふさわしい。
朗 花水木を白いヴェールの修道女に見立てるとは。すごい連想、想像力に脱帽です。
てる夫 ヨーロッパの古城の景色かな。教会の点在する長崎出島でも花水木はぴったり収まる。
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花水木の清楚な姿が修道女にぴったりという評が相次ぎ点を集めた。花水木はやはり薄紅より白がいい。日本の桜、アメリカの花水木と、春を謳歌させる好一対である。この句は白い花びらを修道女のヴェールと見立てたことで共感を得たのだが、一部から修道女はヴェールを被っているのかと疑問が出た。たしかに町中で見かける修道女にヴェールはない。これは長崎浦上教会あたりであろうか。女性信者が白いヴェール姿で祈る光景が見られる。とにかく余計なことを言っていない句なのがいい。
(葉 24.04.15.)