春めくや還暦祝う赤い酒 中野 枕流
春めくや還暦祝う赤い酒 中野 枕流
『合評会から』(日経俳句会)
而云 葡萄酒ですね。赤葡萄酒で句になった感じです。
双歩 還暦は赤いものを身に纏ったりしますが、そうか赤ワインという手もあったのか、なるほどと思って頂きました。
百子 おめでとうございます。前向きな感じが春めくと合っていると思います。赤い酒は赤ワインですか。
戸無広 春めくと祝い酒の取り合わせがうまく効いていると思います。
沈流(作者) 知り合いが還暦祝いをやりまして、赤い酒はワインではなく、古代米を使った日本酒でした。ピンク色で春めいていると思いました。
水牛 赤米で作る酒ね。飲んだことありますが、あんまりおいしくなかった。
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てっきり赤ワインかと思ったら、赤米で作った日本酒だという。「地酒蔵元会」のサイトによると「赤米や古代米を原料として造られたもので、赤や紫の色が特徴。米に含まれるポリフェノール類などの効果で、複雑さとともに果実のようなニュアンスのものもある」という。例えば京都・伊根町の「伊根満開」という地酒は「甘い果実味のような甘酸っぱさと、とろけるような濃厚な味わいが特徴で、あざやかな古代米の赤色」が謳い文句。確かに還暦祝いとしては話題性もあり、洒落てて良さそうだ。ただ、水牛さんの言うとおり、筋金入りの左党には合わないかも。
(双 24.03.09.)