天高し少年少女鼓笛隊 加藤 明生
天高し少年少女鼓笛隊 加藤 明生
『合評会から』(日経俳句会)
雀九 簡単な俳句だなあ、と思いました(笑)。
朗 運動会シーズンたけなわ。自分はその他大勢の縦笛だったのを思い出しました。
双歩 青空が似合うような下から煽って見た光景で、清々しく天高しによく合っている。
守 秋晴れのもと爽やかさを感じる良い句です。
百子 少年少女の少し緊張した、そして誇らしいような表情が浮かびます。天高しの季語にぴったりです。
水牛 雀九さんがおっしゃるように本当にすごく単純安直な句だね。「天高し」ときて「少年少女鼓笛隊」っていうんだから・・。でも実に面白く、気分のいい句だ。
* * *
確かに秋晴れの空の下に少年少女鼓笛隊を置いただけの、実にシンプルな句だ。余計な事を言わず、ストレート勝負。それが却って清清しさを醸し出している。
職業柄こういうシーンを写真に収めようとすると、まずはローアングルを選ぶ。広角レンズで地面すれすれにカメラを構え、子供たちの溌剌とした表情を、真っ青な秋空に浮び上がらせる。そんなベストショットをイメージしながらシャターを押していた現役時代を思い出した。
(双 23.11.07.)