蜩を逆さから聞く股覗き     岡松 卓也

蜩を逆さから聞く股覗き     岡松 卓也 『合評会から』(日経俳句会) 朗 股覗きで上下さかさまで。本当かなって思うくらい面白いアイディア。 而云 股覗きだったら、いろんなものが出て来るけど、蜩を結びつけるっていうのは面白い着想だなあ。 鷹洋 俳句にインパクトを求めるのもどうかなあと思うんですが、この句も大してインパクトはないが、なんとなくそういう意図も・・。しかし面白いと思っていただきました。 ヲブラダ 思わず膝を打つような発想の句。 定利 凄い俳句。面白いです。 三薬 「から」が気に入らなくて採るのをやめました。逆さで聴くなら良いんだけど。           *       *       *  皆々その格好を思い浮かべて面白がった。天橋立股のぞきにヒグラシを取り合わせた作者のウイットに脱帽。あの股のぞきの最中にカナカナカナカナ・・が降ってきたのだ。これは地の底から湧いて来たのか、天上から降ってきたものか。一瞬戸惑いますよねえと問いかけたくなる気分を句にした。  このトントンと運んで、「なるほど、うまいこと言うなあ」と引きずり込む狙いからすれば、三薬氏の言う「から」が気に入らないという評言にもうなずける。すんなりと『蜩を逆さまに聞く股覗き』でいいかもしれない。 (水 23.10.03.)

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