せせらぎに囀交じる峡の宿 中村 迷哲
せせらぎに囀交じる峡の宿 中村 迷哲
『合評会から』(日経俳句会)
鷹洋 典型的な俳句ですね。僕は最近、こんなところへ行った事がないので、憧れを込めて頂きました。
而云 こういう事もあるんだろうなと思い、良い雰囲気で選びました。
双歩 こんな宿があったら泊まってみたいなあと思って頂きました。
明生 出来すぎ、綺麗すぎと感じるほど景の見える句。こんな山峡の宿に一度は泊まってみたいものです。
操 谷間の宿で心安らぐひと時、せせらぎの音に囀りが呼応する。
豆乳 こんな素晴らしい山峡の宿に泊まりたいです。
十三妹 一日でもいい、なにもかも忘れて、こんなところで、のんびりしたいなあ。
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採った人は、異口同音に「こんな宿、泊まってみたい」という。泊まった宿の窓から川のせせらぎがが聞こえてくるだけで、大満足なのに、小鳥の囀まで聞こえてくるというのだから、たまらない。
観光地の旅館のパンフレットやホームページには素敵な写真が満載だ。美辞麗句を並べ立てるより、写真の方が訴求力があるからだ。しかし、洒落たパンフなどよりもこの一句の方がよほど魅力的だ。たった十七音にこんな力があるとは。パンフの表紙にこの句を掲げれば更に効果がありそうだ。
食べ物の句は美味しそうに作れ、という。宿の句は泊まりたくなるように作れ、との箴言が生まれそうだ。
(双 23.04.13.)