「みんなの俳句」来訪者が19万人を超えました

「みんなの俳句」来訪者が19万人を超えました  俳句振興NPO法人双牛舎が2008年(平成20年)1月1日に発信開始したブログ「みんなの俳句」への累計来訪者が、4月2日に19万人に達しました。この盛況は一重にご愛読下さる皆様のお蔭と深く感謝いたします。  ブログ「みんなの俳句」はNPO双牛舎参加句会の日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会の会員諸兄姉の作品を日替わりで取り上げ、「みんなの俳句委員会」の幹事8人がコメントを付して掲載しています。  このブログもスタート当初は一日の来訪者が10人台でしたが、最近は100人を超えることもしばしばになっています。幹事一同、これからも力を尽くしてこのブログを盛り立てて参る所存です。どうぞ引き続きご愛読のほどお願いいたします。      2023年(令和5年)4月3日 「みんなの俳句」幹事一同

続きを読む

土黒く土温くして福寿草     鈴木 雀九

土黒く土温くして福寿草     鈴木 雀九 『この一句』  福寿草と聞くと大方の人は正月飾りの盆栽仕立てを思い浮かべる。しかし、自然のままの福寿草は二月半ばから三月にかけて咲く。この句も二月半ばに俳句仲間連れ立って府中の公園に吟行に出かけたときのものである。  「梅の根元に福寿草が咲いていました。土が黒く、温いからあんなに黄色が強いのですね。季重なりかなあと思ったのですが、美しい福寿草がそんなのいいさと私に言いました」(三代)、「土、土という言葉の繰り返しがリズムを生んでいます。地球と花のパワーを感じます」(水馬)と、ホンモノの福寿草を見つけた喜びを作者と分かち合っているような句評が寄せられた。  「土黒く土温く」がこの句の眼目である。豊かな栄養分と陽射しを浴びた「黒く温みのある土」に根付いた植物はすくすく育ち、美しい花を咲かせ、立派な実(種子)をつける。しかしそういう場所は少ない。しかも植物は動物と違って自由に動き回り己の住処を探すことは出来ない。だから、種子に羽を付け風で四方に吹かれ飛び散るようにしたり、四方八方に根を伸ばして子孫の繁殖地を見つけたりする。しかし、いずれも「あてずっぽう」である。何千と飛ばした種子が適地を見つけて芽生え花咲くのは三つか四つといった確率であろう。  「お前、いいところに陣取ったなあ」と、作者は自分のことのように喜んでいる。そんな気分が伝わって来る句である。 (水 23.04.03.)

続きを読む