腰よじり放る投網や浜うらら 金田 青水
腰よじり放る投網や浜うらら 金田 青水
『合評会から』(番町喜楽会)
的中 投網を使うのは浜ではなくて、川じゃないのかなという気がしましたが、春らしくていい句だと思っていただきました。
光迷 何を捕っているのかわかりませんし、船の上から投げているのか、浜辺で投げているのかもわかりませんが、水が温んで来たのでいろいろなものが捕れることでしょう。
双歩 動きがあって、描写が的確な句です。わたしも的中さんと同じく浜には少し疑問を感じました。
木葉 「腰よじり放る」とありますが、投網はそうしないと投げられません(笑)。
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投網(とあみ)は叉手網(さであみ)、四つ手網などと同じく、川で魚を一挙に取る方法で、俳句では「川狩」の傍題として夏の季語になっている。
しかし、遠浅の海岸なら投網漁が出来る。近頃は大概の河川が投網漁禁止なのに対して、海浜では大目に見ている自治体や漁協が多いから、「海の投網漁」がスポーツ・フィッシングなどと呼ばれて人気になっている。
この句の作者の住む千葉・幕張でも浜でさかんに投網を打っているという。投げるにはそれなりの訓練が必要だが、慣れてくれば釣りと違って、面白いように捕れるという。あなたも靑水さんに連れて行ってもらったらいかがですか。
(水 23.02.21.)