福寿草戦争知らず老いにけり 廣田 可升
福寿草戦争知らず老いにけり 廣田 可升
『合評会から』(酔吟会)
愉里 これは私のことだ、と思いました。戦後生まれの方が詠まれたのか、そうでない方が詠まれたのか、とても気になりました。
而云 小学校2年の時に終戦を迎え、「戦争放棄」は重要なんだと強く思って育ちましたので、最近の反撃能力のような議論には違和感があります。
青水 中七下五は言い古されたフレーズの気がします。季語をどう解釈するか悩みましたが、福寿草のめでたさに掛けた句と捉えました。
水牛 福寿草と戦争をうまく取り合わせた句ですね。老いるまで戦争がなかったのは本当に幸せなことだと思います。詠み手は戦争を知る世代でも知らない世代でも…。
可升(作者) 従軍も戦渦に巻き込まれることもなく一生を過ごせるのはとても稀有なことだと素直に思っています。一方、最近のきな臭い動きに孫はどうなるのかという思いもあります。
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日本は太平洋戦争後の77年間、戦火に見舞われていない。だが、世界では朝鮮戦争、ベトナム戦争、ウクライナの戦争など戦火の絶えた日はない。戦争を知らない世代が人口の9割近くに。昨今の防衛論もあり、複雑な思いをかきたてる句である。
(光 23.02.03.)