糸三つ葉ゆるりと結ぶ雑煮椀 星川 水兎
糸三つ葉ゆるりと結ぶ雑煮椀 星川 水兎
『合評会から』(日経俳句会)
双歩 「ゆるりと」がいい。正月のゆったりした感じでいただいた。「糸三つ葉」をもってきたのもいい。
而云 糸三つ葉は知らなかった。調べてみたら結べるんですね。そういう上品なところが……どっか地方にこういう風習があるんですかね。感心しました。
朗 お節には緑色が乏しいのですけど、その中で緑色が鮮やかに浮かぶ句だなと思って。
愉里 雑煮自慢というのがありそうで、自分もこうありたいなと、こういうお雑煮に憧れます。
雅史 脇役かも知れない三つ葉も、視覚的には主役を張っているなと改めて気付かされました。
水馬 気持ちの良い句で、正月らしい句だなと思います。
十三妹 さりげない句ですが、新春の香りが爽やか。
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糸三つ葉は温床で作る、昔は超高級野菜だったが、いまはビニールハウス産でスーパーで安売りしている。ちょっと青味が欲しい時にとても重宝する。これを小松菜の代わりに雑煮に入れた。ぐんと上品な雑煮になるだろう。薄いピンク色の鶏肉にイチョウに切った白い大根と紅色の人参と、鮮やかな緑の結び三つ葉。薄っすらきつね色の焼餅とで、目出度さも一入である。初句会の最高点句。
(水 23.01.23.)