歳時記に付箋の増えて十二月 嵐田 双歩
歳時記に付箋の増えて十二月 嵐田 双歩
『合評会から』(日経俳句会)
雀九 私の歳時記もそうなっていたので、いいところに目をつけたなと。
三薬 俳句作りに頑張って努力したんだ。俳句仲間としてよかったねと・・。
反平 たしかにそうだ、ボクもページの上、横、斜めにいっぱい付いている。うまいこと考えた。
方円 一年を振り返るのに歳時記の付箋をもってきた。なかなかいい振り返り方だなあと思った。
明生 かなり熱心な作者と感心しました。私なんか十二月になっても何も貼っていません。見習わらなければと思いました。
阿猿 一年間、春夏秋冬ていねいに詠み重ねて来た満足感が伝わって来る。
操 春夏秋冬新年それぞれ詠んだ季語に付箋があり、過ぎし一年を実感する。
定利 佳い句が出来たでしょうね。来年の十二月が楽しみ。
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評者が口々に述べているように、まことにいいところに着目したものだ。句づくりをしていると、歳時記ばかりでなく本や雑誌にすぐに付箋を付けたがる。昔は直接赤鉛筆で傍線を引いたりページの耳を折ったり、栞を挟んだりしたものだが、傍線は見苦しいし、栞は落ちてしまったりする。ところが近頃は着脱自在のシール式付箋があるから、簡単に付けられる。付けると安心して、そのまま忘れてしまうのが常で、年の暮れともなると歳時記は倍に膨らんでしまう。
(水 23.01.10.)