洋館の黒々翳り夜の薔薇 徳永 木葉
洋館の黒々翳り夜の薔薇 徳永 木葉
『合評会から』(酔吟会)
迷哲 陽射しの中の薔薇を詠むのが普通なのに「夜の薔薇」を詠み、しかも「黒々翳り」と洋館を形容する。とても手の込んだ句だと思いました。
鷹洋 「黒々」に「夜の薔薇」を重ね、うまいと思います。古河庭園ですかね。一度夜の古河庭園を見てみたいものです。
三薬 薔薇の句の中では異色の、設定のうまい句です。神戸あたりの異人館をイメージしました。
青水 ところで、薔薇の色は見えるのかな?
水牛 真っ暗な中に白い薔薇がぼーっと…。鈴木春信(の「夜の梅」)だなあ。
木葉(作者) YouTubeで見た古河庭園、YouTube俳句です。
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古河庭園には安山岩を野面積みした洋館の周囲に百種、二百株ともいわれる薔薇が咲き競う。場所は東京都北区西ヶ原。コロナウイルスが跋扈するまでは夜間ライトアップされていたが、今年も中止とか。ただコンサートなどのイベントは予定されている。
洋館は「日本建築の父」と呼ばれる英国人建築家、ジョサイア・コンドルの代表作のひとつ。西洋庭園の下方に、平安神宮などを手掛けた京都の庭師、小川治兵衛による日本庭園もあり、心字池や林の中に佇む茶室など趣が深い。都会のオアシスである。
(光 22.06.07.)