大吉を百円で買ふお正月    宇野木 敦子

大吉を百円で買ふお正月    宇野木 敦子 『この一句』   現今のお御籤の値段は? ネットで調べたところ、中にはお守りや縁起物などが付いて数百円のものもあったが、やはり百円が普通のようだ。作者は百円でお御籤を“買って”いる。「あれは買うものではない」と親に言われたことがあった。神様(仏様もあるが)から頂いたもので、そのお金は神様のお告げへのお礼なのだという。  掲句について「ちょっと素人風を感じるが、それがいいのかな」(有弘)というコメントがあった。この詠み方は意図したものか、巧まざるユーモアか。ともかく俳句は出来上った作品そのものを評すべきもの。句会でそれなりの票を得たのは「大吉を百円で買ふ」という率直な詠み方にあり、それは作者の性格そのものであったに違いない。  「去年は凶だったのに、今年は大吉ですから」と作者は嬉しそうだ。まさに一年後の大逆転。そして「この日は青空だった」。さらに加えて「甘酒も百円だった」そうである。  お御籤の内容は人には言わず、胸に収めていた方がいいのでは、と心配になるほどだったが、御籤研究家によれば「それは俗説」だそうだ。ともかく芽出度い、ということである。 (恂 22.01.03.)

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