ひるがへるシャツよパンツよ梅雨晴間 大澤水牛
ひるがへるシャツよパンツよ梅雨晴間 大澤水牛
『合評会から』(酔吟会)
双歩 このあっけらかん加減がいいですね。夏は洗濯物もTシャツやパンツくらいしかないでしょうし。
可升 シャツやパンツが翻るのはきっと目の錯覚でしょう。やっと晴れたぞ、と思う嬉しさがこう表現させたのでしょう。「よ」の繰り返しが効果的です。
光迷 梅雨時は洗濯物がたまってたまって、家の中に干せば湿気が籠って。だから、たまに快晴の日が来れば、物干しは満艦飾に。衣類はやっぱり乾燥機じゃなく日に当てないと、ね。
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何とも気持ちのいい、爽やかな一句である。昔々、小学生のころ、洗濯物が青空にはためく様子を思い出した。竹竿にシャツ、パンツ、体操着、割烹着などを通し、乾かすのだ。高く掲げられたそれらが太陽を浴び、喜んでパタパタと音を立てている様子が想像された。
昔は下着は白がほとんどで素材は綿が中心だった。最近は色も柄も豊富になり、女性用のステテコまで登場した。リラックスステテコ、略称「リラコ」は部屋着にも重宝なのだとか。素材は合繊が主流になり、速乾性など機能強化も目覚ましい。だがやはり、干すのは外がいい。
(光 21.07.25.)