雛の顔家族誰にも似てをらず 斉山 満智
雛の顔家族誰にも似てをらず 斉山 満智
『合評会から』(番町喜楽会)
木葉 雛の顔が家族の誰にも似ていないという意味のほか、家族同士は誰一人似た顔がいないという解釈もできそう。平安貴族顔は現実にそういないのは当たり前で、ちょっと苦しいが後者と取った。雛の顔を見つめつつ、そうだなあと肯いている作者だろうか。
白山 読んで思わずクスッと笑ってしまいました。
満智(作者) 幼い日に飾られていた雛人形を思い起こし、当時感じたままを詠んだものです。男雛と女雛のみのシンプルな親王飾りでしたが、幼いながらも人形の高貴で上品な美しさに感銘を受け、同時に、家族の誰にも似てないなあと思った記憶があります。
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「言われてみれば、その通り」で、率直な感想を忌憚なく句に纏めた手際に感心しました。新聞などでタレントやスポーツ選手などをモデルにした変わり雛が話題になることはあります。しかし、家や店先に飾るものとなると、そもそも誰の顔、姿なんでしょうか。七福神には各人にいわれがあるのですが…。来年、紙雛を作り、家族の顔にしてみませんか。男雛、女雛だけでなく、五人囃子などもいるから、役を割り振って。
(光21.03.16.)