信濃の夜残暑鎮めて良き眠り   後藤 尚弘

信濃の夜残暑鎮めて良き眠り   後藤 尚弘 『合評会から』(三四郎句会) 圭子 長野県の秋の夜はとても涼しくなると聞いていたので、なるほど、と思いました。豊かな自然や涼しい夜が思い浮かびます。 信 信州などの高原の初秋は、都会と違って朝夕が本当に涼しい。クーラーの排気熱なんてものはないでしょう。うらやましい限りですね。 進 そのような所で、この句のように眠ってみたいね。 尚弘 (作者) 信州で生まれ育ったので、残暑には関係なく、いつも涼しい夜を過ごしていました。夜は寒いほどで、窓を開けて星空を眺め、よく眠った少年の頃が懐かしい。           *       *       *  作者の「窓を開けて星空を眺め」というコメントに、「そんな風に眠ることが可能なのか」と大いに驚いた。長野県やその周辺には何度も行っているが、思い起こせばすべて旅館やホテル泊まりだった。「そのような所で、この句のように眠ってみたいね」(進)には全く同感。作者は大学入学以降、ずっと東京か近郊住まいである。老齢期に入った今、同じようなことを考えているのではないだろうか。 (恂 20.10.15.)

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