「みんなの俳句」来訪者が13万人を超えました

「みんなの俳句」来訪者が13万人を超えました  「俳句振興」を事業目的とするNPO法人双牛舎が2008年(平成20年)1月1日に発信開始したブログ「みんなの俳句」への累計来訪者が、5月11日に13万人を超えました。ご愛読下さる皆様に支えられて満12年たち、大きく育ちました。篤く御礼申し上げます。これといった宣伝もせず、双牛舎に参加する日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会の会員の作品を中心に日替わりに一句ずつ取り上げ、「みんなの俳句委員会」の幹事8人がコメントを付して掲載する地味なブログです。発足当初は一日の来訪者が10数人から20人、数年たってようやく30人台になり、昨年あたりまでは50人になれば幹事一同大喜びといった塩梅でした。それが昨年末から急に人気が出始め、今年に入ってからは1日100人近い来訪者があります。双牛舎傘下三句会の会員以外の方々が大勢読んで下さるようになったものと思われます。  幹事一同、これからも一生懸命「俳句の楽しさ」を唱え続けて参ります。今後もご愛読のほどよろしくお願いいたします。               2020年(令和2年)5月12日  「みんなの俳句」幹事一同

続きを読む

草餅を蒸す花柄の三角巾     高井 百子

草餅を蒸す花柄の三角巾     高井 百子 『季のことば』  草餅は蓬(よもぎ)を搗き込んだ餅。春たけなわの頃、野原や川岸で蓬の若葉を摘んできて湯がき、餅に混ぜ込む。鮮やかな緑色と若草の香り、苦みが五感を刺激し、春を噛みしめる思いがする。中にあんこを入れたり、黄な粉をまぶして食べる。日本人にとって馴染み深い食べ物であり、仲春の季語となっている。  草餅を作る時は、材料となるもち米か上新粉を蒸す必要がある。掲句はそこに花柄の三角巾を登場させる。蒸し器の底や蓋の内側に布巾代わりに置いたものと見ることもできるが、ここは作業をしている女性の頭を飾っていると考えたい。花柄の三角巾とくれば、お婆さんより若い女性が似合いそうだ。 蓬は生命力が強く、日本中どこにでも自生している。草餅のレシピもネット検索で沢山出てくる。郊外に出かけた家族がきれいな蓬を見つけて摘んで帰り、若いママが張り切って蓬餅づくりに取り組んでいる場面が浮かんでくる。山口青邨に「草餅の濃きも淡きも母つくる」の句がある。三角巾のママが作った草餅も、その味と共に母の記憶として子供たちの心に刻まれるに違いない。 (迷 20.05.12.)

続きを読む