風光る産着の中の小さき手 斉山 満智
風光る産着の中の小さき手 斉山 満智
『合評会から』(番町喜楽会)
豆乳 可愛い赤子の句はどうしても採っちゃうんです(笑)。「小さき手」をクローズアップしたのがとてもいい。
光迷 用語的には疑問もある。例えば「産着」の中の赤子の手は「小さい」に決まっている(笑)。でも、こういう論理も可愛らしさにはかなわない。
而云 いい句です。可愛らしい。「風光る」とよく合っています。
命水 産院で初孫と会った時、この句の通りでした。
斗詩子 ベビーカーの赤ちゃんの手の産毛が春の日差しにキラキラ。春到来の喜びが溢れた句。
満智(作者) 友人の娘の赤ちゃんです。とても大きかったらしいけど、産着の中の手は小さかった。写真で、ですけど。
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「孫俳句はダメ」とよく言われるが、心地よい風光と可愛らしいものを取り合わされては、採らざるを得ない。「産着」「小さき」「手」という絞り込み方で可愛さが強調され、共感が増幅される。実に巧みな一句である。
(光 20.02.12.)